突然ですが、好きな馬はなんですか?
…私もたくさんいます
その中でタイキシャトルは上位で好きです。
今回は引退功労馬タイキシャトルについて書いてみます。
1.最強マイラータイキシャトル
1600mを主戦場とし、華麗な競走成績を残しています。
デビューは4歳未勝利(現在の3歳未勝利)戦です。
当馬はデビュー前に脚部負傷や蹄の化膿、また調教をするとソエの悪化が見受けられ、脚下に不安がありました。
そしてゲート試験も2回落ちてしまい、遅れたデビューとなったのです。
初戦と2戦目にダートを走ったのは脚下がまた固まらなかった為、
無理なく走れるように衝撃を軽減できるダートとされます。
5戦目のユニコーンSでは2馬身半差をつけて勝利します。
陣営は芝も砂も走れることはわかっていて、世代の中でのマイルの能力を確認したかったのです。
その後もほとんど1番人気に支持されながら勝利を飾っていきます。
4歳になると、フランスGⅠで世界最高峰のマイル競走とされているジャックルマロワ賞に挑戦します。
そして1番人気に押され見事勝利、名実ともに世界最強マイラーとなったのです。
実はこの時、タイキシャトルが日本調教馬初の海外GⅠ勝利になると盛りがっていたのですが、
当時期待は薄かった、1週前のフランスGⅠモーリスドギース賞(芝1300m)でシーキングザパール(6番人気、鞍上武豊騎手)が勝利した為、
タイキシャトルではなくシーキングザパールがその記録を残すことになったのです。
(さすが武豊)
タイキシャトルの「日本調教馬として海外初GⅠ勝利」という記録こそ残りませんでしたが、記憶に残る強いレースをしてくれました。
また2週続けて日本調教馬のフランスGⅠ制覇という偉業を2頭が達成し、日本競馬の進化を世界へ知らしめたのでした。
海外帰りは走らない馬は多いですが、
タイキシャトルには関係ありませんでした。
帰国後のレース、マイルCSは5馬身差で圧勝します。
本当に海外帰りか?と思わせるような快勝で、本場の強さを見せてくれてるような走りです。
しかしラストランとなった次走のスプリンターズSでは3着となり、そのまま引退しました。
個人的には
マイルCSの走りと比べると、堪えてるように見えます。
力も振り絞って走り切った、という姿が印象的なレースです。
見たことない人には全部見てほしいけど、最後の3戦は必ず見てほしい!
強くおすすめしたいです。
2.引退後のタイキシャトル
引退後は日高地方のイーストスタッドとアロースタッドで2年おきに移動しながら
約17年間種牡馬として第二の馬生を過ごします。
2006年には右目を負傷し失明の危機に陥り、手術を受けて視力は回復しますが、現在は老化もあり右目は白内障になっています。
その後はNPO法人引退馬協会へ譲渡されて
イーストスタッドで預託され、第三の馬生、功労馬としての余生を送ることになります。
翌2018年に現在過ごしているヴェルサイユファームへ移動しました。
2019年には去勢手術を受けます。
種牡馬を引退し功労馬になると去勢をされることが多いです。
競走馬としても種牡馬としてもバリバリ働いてきた馬ってやっぱり性格も強くてちょっとやんちゃな馬が多いですし、牧場にはもちろん牝馬もいますからね。
去勢をすると温厚になるし、下手に暴れて怪我することも防げます。
また種牡馬同士の放牧は上記の理由より簡単なことではなく、
1頭で放牧せざるを得なくなってしまうのも、集団行動をする馬にとって寂しい思いをさせることになりかねません。
性格を丸くさせることは穏やかに余生を送ってもらうためにも長期的に見て重要なことなのだと思います。
3.引退馬協会
私は競馬が好きだし馬も好きだし、乗馬で馬と触れ合っています。
以前、犬猫のシェルターに興味を持ったこともあって、馬でも何かないかなと思って探してみたのがきっかけで、引退馬協会に興味を持ちました。
引退馬協会とは、競走馬や種牡馬、乗馬、騎馬を引退した馬が残りの余生を過ごせるように支援する団体です。
認識的には馬券の一部というより(競馬は競馬です)、
散財していく無駄遣いの一部を馬に使えたら…という思いから探しました。
単発で好きな額を寄付するということももちろんできますが、
私は会員になって「フォスターペアレント」という、ある馬に対して0.5口(3000円)から支援できる制度を選びました。
これが、タイキシャトルなのです。
もちろん好きな馬に!という思いからです。
最小の0.5口ですがね…
「無理なく見栄なく自分のできる範囲で」させて頂いています。
※単発の寄付は税控除されますが、フォスターペアレント制度では税控除はされません
毎月配信される引退馬協会の全馬のレポートが会員サイトから見れて、馬達の様子を知ることができます。
例えば、歩様がおかしいという異常や治療経過、元気になった報告や日常の姿も写真や動画と共に見ることができます。
コロナウイルス前にはたまにイベントもあったのですが現在は中止となっており、
あくまでも会員に対してサービス(お返しのように)してくれている事なので、無理して決行せず落ち着いたらまたしてもらえたらなと個人的には思っています。
4.タイキシャトルを訪ねて
私はどうしても叶えたいことがありました。
それはタイキシャトルのフォスターペアレントとしてタイキシャトルに会うことです。
(今までも普通にタイキシャトルに会ったことなかったんですが。)
そして、今回訪ねに行ったのです。
レポートにあったように羊たちと一緒に放牧されていました。(かわいい)
ヨーロッパにいるような雰囲気で栗毛が映えてました。(かわいい)
羊と一緒にいる理由は、
ひとりで放牧されていてぼーっと遠くを見つめて寂しそうだったのと
それにより運動量も減ってしまったからだそうです。
人参をたくさん買って、いろんな馬にたくさんあげました。
人参分配状況を牧場の方に聞くと、
タイキシャトルは人気だから結構もらってるとのことだったので、
あげすぎないようにして、あまり貰えてない牝馬の群れにあげるよう心がけましたw
以前のレポートには、タイキシャトルは慣れているスタッフさんには額を触らせてあげるなど、プライドが高かったり人見知りもしていたようですが、
今ではお客さんにも慣れたようで、柵に近づくとすぐに来てくれました。
嚙つき癖はあるようだったのですが、そんなことなく大人しく撫でさせてくれました。
しかし隣で写真を撮ろうと人参をあげるのをやめたら腕を嚙ついてきて、服がよだれだらけになりました…
…こんな光栄なことありますでしょうか。
タイキシャトルは人参の食べ方がとてもキレイでお上品なのが、さすがだなーと思いました。
(ボロボロこぼす子も可愛いです)
みんな食べ方が違って、食べるところを見るのも楽しいですよ。
たくさん触れ合うことができて、かわいい顔が見れて、
とても充実した時間だったので、後にするのが惜しくて悲しくなりました。
また行きたいです。
ローズキングダムやタニノギムレット、ビービーガルダン、メイショウドトウ、牝馬の中にはブロードアピールもいます。
また個人で所有していらっしゃった乗馬だった馬もいます。
ヴェルサイユファームの土地を気に入り、ここで余生を過ごさせたいと決めた方もいるとのことでした。
牧場の方もお忙しいのに馬達のことをお話をしてくださったり
馬を呼んできてくれたり…
功労馬牧場についてお話できて、親切にしてくださり、穏やかな時間を過ごすことができました。
まとめ
■タイキシャトル(競走馬時代)
フランスのジャックルマロワ賞を勝ち、世界最強マイラーとなった栗毛の金髪イケメンホース。
全レース見てほしい!中でも個人的おすすめは最後の3戦。
■タイキシャトル(現役引退後)
約17年間種牡馬としての仕事を全うします。
産駒は億単位で稼いでる馬も少なくないですが、最強マイラーは輩出できず。
種牡馬を引退すると、NPO法人引退馬協会に譲渡され功労馬として余生を送ります。
■引退馬協会
引退馬協会を通して単発の寄付、
フォスターペアレントという制度で毎月0.5口(3000円)から支援が可能。
引退馬たちの近況を知ることがきます。
■タイキシャトルを訪ねて
やっと会えたシャトル。
白内障は引き続き気になりますが、羊たちと一緒に過ごしていて、相変わらずかっこよくて、元気に人参を食べる姿が見れて嬉しく思いました。
牧場の方からもお話が聞けて貴重な時間となりました。
引退馬協会を通して支援することにおいて、
活動報告書などもしっかり配信されるので必ず目を通して、自分がしていることに対して自覚するようにしています。
今はふるさと納税やクラウドファンディングなどありますし、多様的に寄付という形があります。
毎月じゃなくてもできるし、情報が溢れる現代では漠然としているものではなく内容を知って自分で選ぶことができるのはポジティブなことですよね。
きっと馬のことでなくてもこういう事をやっている人もいると思います。
誰かがこれを見てそういうのがあるんだなぁと知ってもらえたらいいなと思い、書きました。
いつか興味を持った時に、そういう人いたかも、と思い出してくれたらいいなと思います。